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業務フローで見るロボット化 / 食品製造

製パン工場の量産ライン

発酵・分割・焼成は専用設備が担い、ロボットが入るのは原料袋の投入、天板まわりのハンドリング、包装機への供給、箱詰め・パレタイズ、搬送です。国内の製パン工場の公開事例は少なく、海外の製パン工場と国内の近接業種(菓子・米飯・飲料)の事例で補っています。

全9工程のうち6工程に、ロボットへ置き換えられる作業が13件あります。

製パン工場の量産ラインの工程(原料受入・仕込み・発酵・分割・成形・焼成・脱型・包装・箱詰め)とロボットのイラスト

工程の流れ

工程を押すと、その工程の作業へ移動します。

  1. 1原料受入1作業
  2. 2仕込み2作業
  3. 3一次発酵
  4. 4分割・丸め
  5. 5成形・天板2作業
  6. 6焼成
  7. 7脱型・冷却1作業
  8. 8包装2作業
  9. 9箱詰め5作業
ロボット化できる作業がある専用設備が担う人が担う

工程の出典:厚生労働省 製パン 職業能力評価基準 関連資料 / 福岡労働局「今月はパン職人」 / 大林組 製パン工場(施設計画)

工程ごとの置き換え作業

人が今やっている作業のうち、ロボットが担っている実例があるものを工程ごとに挙げました。右のリンクから候補機種と導入実績へ進めます。

  1. 原材料受入・保管

    小麦粉・イースト・油脂・糖類を受け入れる。主原料はサイロで、副原料は袋で保管し、前日までに計量しておく。

    ロボット化
  2. 計量・仕込み(ミキシング)

    配合材料をミキサーで練り上げて生地をつくる。袋原料の開封・投入は人。練り具合・温度の確認も人。

    ロボット化
  3. 一次発酵

    生地を発酵室で一定の温湿度で発酵させる。

    専用設備

    発酵室が担う工程で、ハンドリング作業がない。

  4. 分割・丸め・ベンチタイム

    分割機で一定重量に切り分け、丸め機で丸め、中間発酵室で生地を休ませる。

    専用設備

    分割機・丸め機・中間発酵室という専用機が高速処理する。ロボットアームが介在する余地はほぼない。

  5. 成形・天板載せ

    手や成形機で形を整え、型や天板に収める。天板やボードの取り出しと生地の整列は人。

    ロボット化
  6. 最終発酵(ホイロ)・焼成

    型・天板ごとホイロで発酵させ、オーブンで焼く。温度・時間の設定は人が判断する。

    専用設備

    ホイロとオーブンが担う。設定の判断は人。

  7. 脱型・冷却

    焼成品を型・天板から外し、温湿度管理された冷却工程で冷ます。

    ロボット化
  8. スライス・包装

    食パンはスライスして袋詰め、菓子パンは個包装する。包装機への供給と包装後の集合は人。

    ロボット化
    • 海外実績ありオーブン出口の製品をピックして包装機へ供給、包装後のマルチパック化

      ULMA Packaging「Baked goods – Automated line」。多関節ロボット 2 台がオーブン出口から製品を取り横ピロー包装機へ、別のロボットが集合してマルチパック包装機へ装填。

      出典:ULMA Packaging

      B-1 原材料投入・供給原料投入・マシンテンディング
    • 国内導入済み焼成品の形状不良・欠け・異物の AI 画像検査

      シルビア(ドーナツ製造ライン・近接事例)× センスシングスジャパン「ZENAI」。180 個/分で検査し、熟練者の目視負荷を軽減。

      出典:AIsmiley

      B-3 検査・品質管理検査・品質確認
  9. 箱詰め・パレタイズ・出荷

    包装品を番重や段ボールに詰め、消費期限ラベルを貼り、パレット積みして出荷する。

    ロボット化

一覧

工程ロボット化できる作業段階用途ページ
1. 原材料受入・保管原料の倉庫→製造エリア搬送国内導入済み搬送・入出庫
2. 計量・仕込み(ミキシング)原料袋(25kg)のデパレタイズ→開封→ホッパー投入海外実績あり原材料投入・供給
2. 計量・仕込み(ミキシング)段ボール開梱→内袋取り出し→カット→投入→空箱片付け国内導入済み原材料投入・供給
5. 成形・天板載せ台車からの天板・ボードの取り出し、クッキングシート敷き、生地の天板整列海外実績あり原材料投入・供給
5. 成形・天板載せ生地載せ済み天板の冷凍機からの取り出しとラック台車への積み込み海外実績あり搬送・入出庫
7. 脱型・冷却焼成後の天板・型から製品を取り出す(ロボット式デパンナー)海外実績あり組立・加工
8. スライス・包装オーブン出口の製品をピックして包装機へ供給、包装後のマルチパック化海外実績あり原材料投入・供給
8. スライス・包装焼成品の形状不良・欠け・異物の AI 画像検査国内導入済み検査・品質管理
9. 箱詰め・パレタイズ・出荷パン箱単位の出荷ラベル貼付と、パン箱の供給・排出・積み上げ国内導入済み梱包・パレタイズ
9. 箱詰め・パレタイズ・出荷袋詰め済み食パン・ロールパンをコンベア上で追従ピックし、出荷コンテナへ投入海外実績あり梱包・パレタイズ
9. 箱詰め・パレタイズ・出荷焼成済みペストリーのトレー詰め、包装済み食パンの箱詰め海外実績あり梱包・パレタイズ
9. 箱詰め・パレタイズ・出荷小型協働パレタイザーでのケース積み付け国内導入済み梱包・パレタイズ
9. 箱詰め・パレタイズ・出荷包装機出口から倉庫への完成品パレット搬送海外実績あり搬送・入出庫

導入前の確認点

  • 衛生管理ガイドライン:農林水産省「食品製造現場におけるロボット等導入及び運用時の衛生管理ガイドライン」(2024-04)への適合。HACCP 対応の導入手順と、食品対応ロボットが備えるべき機能が整理されている。
  • 食品対応仕様:食品用グリス、洗浄対応塗装、気密性。生地に直接触れるロボットは「直接/間接接触」の区分と洗浄性を確認する。
  • 透明包装袋の認識:袋詰め後のパンは 2D カメラでの位置検出が難しい。ToF 3D カメラで形状を取る方式に実績がある。
  • 柔らかい製品の把持:吸着・ニードル・層グリッパー・ソフトグリッパーなど、製品ごとにハンドを選ぶ。
  • 多品種対応:製パンは 100 種以上の品種が珍しくない。箱や天板の種類をセンサーで判別するなど、段取り替えの自動化が要件になる。
  • 主原料の投入はロボットの対象外になりやすい:小麦粉はサイロと空気輸送で自動供給するのが一般的で、袋投入は副原料向け。

自社の工程で、どこから置き換えるか相談する

工程表を持ち込んでいただければ、置き換えやすい作業と候補機種、PoC の進め方を一緒に整理します。

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